惑星の時間

心の問題をいつも考えています

2019-09-05から1日間の記事一覧

時には父のない子のように(2005年6月)

今年の誕生日に、父親からの祝いの電話はこなかった。 几帳面な父親は、ぼくたちが海外にいた期間も、前日の夜か当日の朝に、誕生日を祝う電話をかけてきた。家族たちも、父親のこういった几帳面さと正確さにいつも感嘆していた。そもそもが、几帳面な人では…

言葉が舞う(2005年10月)

何年前のことだったろうか、山手線の中で、「言葉が舞う」のを、見た。 電車が、駅にとまると、多くの少年、少女が、乗りこんできた。ぼくは、読みさしの本から眼をあげた。中学生ぐらいの子供たちだった。14,5歳の少年たちが醸し出す、過剰なエネルギーが感…

母の左手(2005年9月)

台風の影響で、東京でも大雨が降った。 ニュースでは、ハリケーンで、ニューオリンズ全域が都市機能を失ったことの続報が報じられている。 自然は、人間に対して、こうしてメッセージを送り続ける。 総選挙まであと1週間になった。地下鉄の駅前で、民主党の…

時が癒すもの(2005年10月)

時間が経つのは早い。 それは、哀しみであると同時に救いでもある。 父親が急逝してから、8ヶ月が経った。 故郷に帰省した。早めの1周忌を行うためだ。 北国は、 少しずつではあるが、秋から、初冬への装いをみせはじめていた。 Georges Moustaki: "Il est t…

神楽坂ルクロモンマルトルはいつものように2007年4月

JRの飯田橋の駅を出ると、ひんやりとした花冷えのような黄昏が広がった。カナルカフェのある濠のまわりの外堀通り沿いの桜が満開で、そぞろ歩きの人の数も多い。もともと人気のある場所だった、神楽坂が、ついこないだ最終回を迎えた倉本聡の人気テレビ番組…